あたしの彼は『ヒドイ男』
野生動物の世界では、強い物が生き残る弱肉強食が当然だけど、恋愛は好きになった方が圧倒的に弱者だと思う。
付き合ってるはずなのに、恋人同士のはずなのに、なんだかまだ私一人、カズに片思いしているみたいだ。
「なにそれ、のろけ?」
私の愚痴を聞いていたミナが、呆れたようにそう言った。
「今の話のどこをどう聞いたら、のろけになるのさ」
「彼氏のことが、好きで好きで仕方ないって話でしょ?」
「うー、違うのに」
言いたいことが上手く伝わらないのが歯がゆくて、私が小さく唸るとミナがくすくすと笑った。
賑やかな会社の食堂でランチを食べながら、仲良しの同僚のミナの足をテーブルの下で軽く小突く。