あたしの彼は『ヒドイ男』
 

昨夜のカズの暴君ぶりを、ミナに愚痴りたかったのに。
ヒドイ男だねって、私の味方になってほしかったのになぁ。

胸のあたりまで伸びた自分の髪の毛先をいじいじと指でさわりながらいじけていると、食べ終わった食器を横にずらし空いたスペースにダンと雑誌が開いて置かれた。

「そんなことより、見てこれ」

「なに?」

のぞきこめばそれは、分厚い結婚情報誌。
そのエンゲージリングの特集のページだった。

華やかな誌面の中、綺麗に並ぶ指輪に、思わず目が奪われる。

女性的な柔らかな曲線を描く白金。
シャープで洗練されたデザインのシルバー。
花を散りばめたようにダイヤが輝くゴージャスなものから、おとぎ話のお姫様がするようなクラシカルな立爪のダイヤの指輪まで。

柔らかな光を反射してキラキラと輝く色々な指輪にため息が出た。


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