あたしの彼は『ヒドイ男』
 

「そう言うなら、信じさせてよ。信じられるようなことをしてよ……!」


愛の言葉も愛情表現もなく、ただ抱き合うだけで信じていられるほど、私は強くないの。

嘘でもいいから好きって言ってほしいの。
些細な約束を、ちゃんと覚えていてほしいの。

それが、贅沢な叶わない望みだっていうなら、私はもうカズを愛し続ける自信なんてない。



ゆらりと、ふらつきながら立ち上がった。

視界の端に、カレンダーの今日の日付に自分で書いた、浮かれたピンクのハートマークがちらつく。



もう限界。そう思った。



< 38 / 74 >

この作品をシェア

pagetop