あたしの彼は『ヒドイ男』
ミナの優しさに、涙をぬぐいながら何度も首を横に振った。
謝らないといけないのは、こっちだ。
あのラインを見たからって、ミナのことを疑うなんて。
「さ、帰ろう。きっとカズさん心配してるよ」
そう笑いかけられて、頷いて立ち上がった。
帰ろう。
カズと暮らすあのアパートに。
右手はミナと手を繋ぎ、左手には小さな紙袋を持って歩き出す。
幸せで、夢を見てるみたいに、足元がふわふわした。
部屋に帰ったら、カズに謝るんだ。
疑ってごめんって。ダイキライなんて言ってごめんって。
本当は大好きだよって、ちゃんと伝えるんだ。
そう思いながら一歩足を踏み出した時、たくさんのサイレンが公園の目の前を通り過ぎて行った。