あたしの彼は『ヒドイ男』
「カズ、約束をちゃんと覚えてくれてたの……?」
「忘れてると思った?」
「思った」
力いっぱい頷くと、ミナはくすくす笑って私のおでこを叩いた。
「嘘つき。本当は信じてたクセに」
そう優しくからかわれて、じわりと涙で景色がにじんだ。
うん。
本当は信じてた。
カズはきっと約束を覚えていてくれてるって。
本当は、私のこと、ちゃんと好きでいてくれてるって。
だから、裏切られたと思って、余計にショックで傷ついたんだ。
「ごめんね。本当は昨日この指輪出来上がるはずだったのに、店の手違いで遅れちゃったみたいでさ。私が出しゃばって届けてあげるって言ったからややこしくなっちゃったんだよね。カズさんは明日でいいって言ってたんだけど、どうせなら記念日当日にえり子に指輪渡してあげてほしくて」
「ううん、ミナがそこまでしてくれて嬉しいよ」