カナリア鳴く空
朝香が帰るまでの、恥じらいを見せていた優衣はどこに行ったのだろう?

今の優衣は積極的で、年上であるはずの私が戸惑ってしまうほどだ。

「嫌い?」

優衣が私に向かって、上目づかいで問いかける。

紅い唇で、私に向かって言葉を発する。

潤んだ目で、私を見つめてくる。

――ああ、反則だ。

本当に優衣は、2人いるんじゃないかって思った。

「――嫌いじゃない。

…好きだよ」

その紅い唇に、自分の唇を重ねた。
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