カナリア鳴く空
優衣が私を呼んだ。

「んっ、どうした?」

「クリーム」

優衣が自分の頬を指差した。

「えっ…」

私は自分の頬を確かめる。

「逆です、左です」

優衣に言われ、逆の頬に手を伸ばそうとした時、
「わたしがとります」

困ったように笑った優衣の手が、私の頬に触れた。

触れられたことで、頬が熱を持ち始める。

何やってるんだ、私は。

まるで、中学生みたいだと思った。

好きな子とつきあい始めた男子中学生だと。
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