カナリア鳴く空
好きな子の手が触れたくらいで熱を持った、単純な私の頬。

1度熱を持ってしまったその頬は、なかなか下がってくれない。

ああ、本当に何をやっているのだろう。

優衣の手が私の頬から離れる。

クリームのついたその手は、彼女の口元へ。

その動作に、心臓がドキッと鳴る。

熱は頬だけじゃない。

躰にまで持ち始める。

「誠司さん?」

私の視線に気づいたと言うように、優衣が呼ぶ。

「あ…何?」

ちゃんと、返事できただろうか?
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