カナリア鳴く空
「ソフトクリーム、もう…」

優衣に言われ、慌てて手元を見ると、
「あっ…」

もう溶けかかっているソフトクリームがあった。

優衣のことに目がいっぱいで、完全に忘れていた。

「もう、誠司さんったらー」

優衣が笑いながらバッグからハンカチを出す。

私はそれを受け取ると、ソフトクリームで汚れてしまった手をぬぐった。


遊園地の最後を飾るのは、やはり観覧車しか他はないだろう。

「キレー…」

だんだんと見えてくる街並みを見ながら、優衣が呟くように言った。
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