カナリア鳴く空
観覧車が、頂上にたどりつく。

その瞬間、私は優衣に顔を向けた。

優衣が目を閉じる。

だんだんと近づく優衣の顔に、私は目を閉じる。

距離が、近くなる。

その距離がゼロになった時、私たちの唇が重なった。


遊園地から駐車場に向かうまでの道を、2人で手を繋ぎながら一緒に歩いた。

「楽しかったです」

優衣が言った。

「こうして誠司さんと一緒に過ごせて、楽しかったです」

優衣の笑顔を見ながら、そう言えばと私は思った。
< 159 / 209 >

この作品をシェア

pagetop