カナリア鳴く空
自然に出てきた言葉と同時に、涙が流れた。

優衣を好きになってよかったと、私は改めて思った。

「――誠司さん…」

抱きしめている優衣の肩が震えている。

優衣は私の胸に顔を埋める。

そんな彼女を見ながら、私は静かに涙をこぼした。


その翌日の夕方。

仕事を切りあげた私はまっすぐに自宅に帰った。

理由は、優衣の結果を聞くためだ。

「念のため、学校帰りに産婦人科へ行ってきます」

そう言って優衣は今朝、家を出た。
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