カナリア鳴く空
「わたし、誠司さんの子供を育てます。

誠司さんが反対したとしても、この子を産みます」

なんて意思の強い子なんだろうと、私は思った。

「――だって、好きな人の子供なんですよ?

好きな人の子供を殺せる訳ないもん…」

優衣の目から、涙がこぼれる。

「誠司さんの子供だから…。

好きな人の子供だから…。

だから…」

「もういいよ」

優衣の言葉をさえぎると、私は彼女を強く抱きしめた。

「それだけで、充分だ…」
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