カナリア鳴く空
「乃南さんはかわいい人ですよ。

仕事の腕も今まで雇ってきたマネージャーの中では一流ですし。

ただ、隠し事が多いのは難点ですかね?」

「ああ、そうですか」

彼のマネージャー自慢を適当に受け流した。

「佐々木さんほどの実力者ではないですけどね」

それは、フォローのつもりだろうか?

それとも、自分の気持ちを隠すため?

どちらにしろ、わからない。

「おっと、もうこんな時間。

乃南さんをロビーに待たせているんですよ」

「…はあ」

別に、マネージャーをロビーに待たせてもおかしくないと思う。
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