Tricksters2ッ
「私、中国から訳あって最近日本に来たのよ。そしたらパパが、この愛子おばあちゃんから日本のしきたりとか風習を教えてもらえって紹介されて、たまにこのお屋敷に遊びに来ているの」
藍莉が「ねー? 愛子おばあちゃん」と言うと、ばあちゃんは黙って頷いた。
ばあちゃん……コウヅキ不動産ホールディングスの代表取締役と知り合いだったのか?
「私、お鍋で白米炊けるようになったんだよ。マキでお風呂も沸かせるし! すごいでしょ?」
「飯と風呂はいい。それで、どうして騙された?」
「徳田善太郎は、私がトミックカラーズとかいうインチキ会社を任されることになった日に知り合ったわ。
私はね、パパが手品グッズを扱う会社を任せてくれるっていうから、あの有名なトリックスターズを任せてくれるのかと勘違いしてたの」
「それって、いつの話だ?」