Tricksters2ッ
本当にこんなことに関わってしまい申し訳ございません
「でもさ、ゼン。この後どーするんだよ! 捕まらずに出られるのか?」
警察官の帽子を目深にかぶったゼンは、窓にうつる自分の立ち姿を入念にチェックしている。
「あのさ……ナルシストかよ……」
俺の話なんか全く聞いてない。
「非常階段とかは、どうだ? お前のことだから、そーいうの調べてあるんだろ!」
ゼンは「よし、完璧」というと腰に装着してある手錠を手に持つ。
「そんな小道具まで用意してあんのかよ!」
「当然だろ」と言うと、俺の両手が手錠で拘束された。
「偽りなく、俺は完璧に警察官になりすます。こういう制服系の変装て難しいんだぞ? ちょっと間違えば怪しまれる。完璧な美しさが必要だ。無線機もオッケー。警棒もオッケー。容疑者オッケー。正面から脱出するぞ」
「えっ?」
「黙って歩け」
えーっ?
マジですか? ゼン所長!
さすがというか、根性座ってるというか……
「あの若い警官も、俺が逃げられないと思って鍵を開けたんだろうけどな。逃げも隠れもしなきゃ、追ってこないだろ」