Tricksters2ッ
「チッ、もう来たか。淳一の車のナンバーがバレてたのかもな」
「はやく、逃げないと……」
「おいおい、ゼン所長。とんだ貸し作るつもりだな。用件を早く言え」
ゼンは片方の眉をつり上げた。
「結婚式の準備をしといてもらいたい。クレジット没収、口座凍結、俺一文無し」
画多社長が腹を抱えて笑う。
「ゼンが一文無し! 傑作だな! 昔の俺みたいだ。よかったらいいものをあげるよ。俺からの餞別だ!」
画多社長は部屋の隅の本棚から一冊の本を取り出し、それをデスクの上に置いた。
『食べられる道草 著者:画多幹雄』
「なにこれ……?」
「これは画多社長が寝袋一つで上京した際に、道草食べながら生活していた当時の経験をまとめた道草図鑑だ」