Tricksters2ッ

 リビングには、ゼン、ユカリさん、営業部城田部長、総務部(禿)柳部長、建設部佐伯部長、販売促進部(内閣府の)三人がいた。

 ところ狭しと、トリックスターズのメンツが揃っている。



「淳一、ごめんなー。楽しそうだから、つい来ちゃった」

 申し訳なさそうに頭を下げた佐伯部長。


「いえ……別に」


 俺、ほぼ徹夜ですけど。家主に無断で上がりこんで鍋パーチーを主催しようと企んだのは絶対にゼンですし、佐伯部長には悪気がないってわかっています。


「“別に”だって? やあやあ諸君!
家主の許可がおりたぞ! 朝まで飲み明かすぞー」


 ビールジョッキを掲げたゼン。コイツは悪気と悪意の塊だ。


「かんぱーい」と声があがって、楽しそうな笑い声の合唱。



 もう、好きにして……


「李花、俺着替えてくるからな」


「うん、李花は内藤ちゃんのお手伝いしてる」


「内藤部長、覗かないでくださいね」

「ちょっ! 失礼なこと言わないで! 淳一くんの着替えなんか覗くわけないでしょー!」

「盗撮もしないでください」


「チッ!」

 舌打ちするんじゃねーよ。

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