Tricksters2ッ

 
 舌打ちしたオカマに、李花は「わかるー。じゅんちゃん脱ぐと何気にムキムキだもん」と余計な情報を与えた。

「ちょっと、マジで? 撮っていい?」

「ダメ、李花のだもん」


 李花は、すっかり奴らに懐いている。

 人懐こい性格で誰とも話ができるのが李花の特技だ。

 特に、ユカリさんと内藤部長はランチ女子会仲間らしい。


 北側の部屋で、グレーのリクルートスーツを脱いでハンガーにかけた。

 部屋着のパーカーを羽織りながら、自分がニヤついてるって気がついた。






 なんだかんだ言って楽しくなってしまう俺。完全にアイツに騙されて洗脳されている。




「李花、俺にもビール」

 ちゃぶ台は大きなものに買い換えた。この人数がいて食事しても余裕だ。

 別に皆が来てもいいように買い換えたつもりはねーんだけどな。



 食器も揃っている。李花のセンスだから、イチゴの形してる皿やパンダの茶碗とかそんなのばかりだけど……


 最初にゼンたちが来たときはグラスも不揃いだったのにな。



「柳田部長! 西遊記やってくださいよ!」


 ゼンがはやし立てると、皆の視線が禿柳に注目した。

 

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