Tricksters2ッ

「いや、俺。彼女いるんだけど……」

「大丈夫、何も考えずに別れなさい」


「けっこう心の奥から必要だと思える彼女なんだけど」


「辛いのは一瞬よ」


「ミエちゃんが、ゼンを諦めるっていう選択肢は?」


 パッツン前髪が、ギロチンの刃のように見えた。


「ないですよね……はい、どうにか考えてみます」



 うわぁあああっ!

 なんなんだよっ!


 発狂寸前。


 なんで毎回毎回こんな役回りばっか巡ってきちゃうんだよ!


「所長代理ばっかミエちゃんと話てて狡いですよー、俺も仲間に入れてください」

「バカーっ! 井上! てめぇのせいで話がややこしくなっちまったじゃんか!」



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