Tricksters2ッ

────薄暗いマンションに帰ってきた。今日は一週間分くらい疲れた。長い一日だった。
 
 玄関に李花のエプロンがヒラリと落ちている。


「李花……」


 怒って実家帰りやがった。静かな部屋は、物音一つしない。

 明日は休みだし、実家に謝りに行くしかないか。


 コンビニのバイトも俺の休みに合わせてくれてるし、家にいるだろ。


 はあー、最悪に追い討ちだな。



 俺、どーしよう。

 また新しい商品考えて、今よりもっと働いて、2780万円どうにかしないとな。

アイツもアイツで変な奴らに目つけられてるみたいだし。

“ヤミ金野郎”も前回みたいにチョロくは騙されてくれねーよな。


  敵も味方も、やたら個性の強いのばかりだ。油断してたら、あっという間に引き込まれる、用心深く慎重にしないとな。



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