Tricksters2ッ

────頭いてぇー。

「淳一」

 唇に何か暖かいものが触れた。

 柔らかい感触、それからピチャと水音がして舌が入ってくる。


「うっ……」


 散々好き勝手に俺の口内犯してからのため息。


「淳一、キス下手くそー」


「……藍莉テメー、よくも」


 体がうまく動かない。それに藍莉が頬杖つきながら俺の体の上を占拠している。


「そんなやられっぱなしのキスじゃ、ダメよ。もっと情熱的に反応してくれなきゃ」

「あのな……、おまえあの薬品嗅いだことあるか? 俺が訴えれば、おまえ逮捕されるぞ」


「ないわよ。なんで、私が逮捕されなきゃならないのよ」


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