綺麗な百合にも棘がある
夏妃は優雅な動作で紅茶を飲む。

「美味しい」

「ありがとうございます」

「先生、これからの打ち合わせをさせていただいてよろしいですか?」

古賀が手帳を広げた。それを見て、春緋は慌ててメモを出した。


打ち合わせは滞りなく終わった。

「では失礼します」

「はい。ありがとうございました。古賀さん、愚弟をよろしくお願いします」

夏妃が古賀に深々と頭を下げた。

それを見て、春緋も頭を下げた。

「力になれるよう努力します」

穏やかな声をかけられて、顔を上げた。

そして改めててこの仕事に力を尽くすことを決めた。

「失礼します」
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