透明水彩

「ねぇ、叔父さん。ちょっといい?」

「…あぁ、美凪ちゃんか。珍しいね。いいよ、入りなさい。」


アジト内にある、叔父さん…否、現ボスの執務室。
普段はほとんどアジトにいない叔父さんが帰ってきたのを見計らい、あたしはこの部屋を訪ねた。

促されるまま室内に足を踏み入れ、ソファーに腰掛ける。そして、黙々と作業を続けている叔父さんに問いかけた。


「あのさ、叔父さん。あたし、ずっとこれから先も、この世界で生きることってできないのかな?」

「……え?」


でも案の定、返ってきたのは今の問いの真意を理解しえないような声。

ゆっくりと書類から顔を上げた叔父さんの表情は、やっぱり困惑に染まっていた。


「美凪ちゃん、何を、」

「あ、ううん。いいの、気にしないで。」


ある程度、予想していた反応。叔父さんの言葉を遮り、気にされないようにと笑顔を貼付ける。
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