透明水彩


「莱……、ごめんね。ごめん……、」


謝るしかできない自分が、とてつもなく情けなかった。
何もできない自分が、どうしようもなくもどかしかった。


「ごめん……っ、」


それでもやっぱり、謝るしかできないのは。
あたし自身が1番、自分の無力さをわかっているから。

あたしなんて所詮、みんながいるから生きていけるだけ。
みんなに依存して、生きているだけの存在。


「……早く、起きてよ。」


悔しくて、切なくて。
ただ自分の愚かさを、呪った。


「ねぇ、莱……っ、」


自分の存在が、許せなかった。

でももう、何も言葉にならなくて。震える唇を、強く噛み締める。
未だ流れ続ける涙は頬を伝い、あたしと莱の手に落ちて、シーツを濡らした。
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