透明水彩
「別に、それを責めてる訳じゃないよ。さっきも言ったけど、問い質すつもりはない。ただ…、」
「……ただ?」
「うん。ただ、俺達だって、傍に居るくらいはできるってこと、忘れないでほしかったんだ。美凪は1人じゃないって。」
1人じゃ、ない……
さっき、2人が部屋に入ってくる前不意に感じた、孤独感…。まるで、そんなことはお見通しだったとでも言うかの如く、理人は核心をついてくる。
…――でも改めて思い返せば、昔からそうなんだ、理人は。あたしのことも、藍香のことも、何でもわかっているような、見透かしているような。
その時々に一番欲しい言葉をくれて、特に何も言わなくたって、詮索もせず無条件に手を差し延べてくれる。
だからきっと、あたしはあの日。
雨に打たれながら、理人へと電話した。1番頼れるであろう叔父さんではなく、1番あたしを理解してくれるであろう、理人に。
完璧にとはいかないまでも、理人ならわかってくれる。共有してくれる。あたしが無意識に理人に頼りすぎているのは、きっともう、否めない事実だから。