透明水彩

「…とりあえず、とか意味わかんない。」

「いーから。つべこべ言うなっての。」


相変わらず生意気で横柄なヤツだと思いながら、小さく悪態を吐き続ける。そして、縮まっていく湊との距離を見てため息をついた。

けれど、次に言い返そうと紡ぎかけた言葉は、湊による予想外の行動により、言い切られることなく口内で霧散する。


「つべこべって何……っ!?」

「うるせーうるせー。そーいうのがつべこべ言ってることになるんだろ。…ほら、行くぜ莱(らい)。」

「はーい。」

「え、ちょ…!?」


待って、その一言さえも言葉にならないまま、湊は走り出す。あたしを肩に担ぎながら、莱と呼ばれた少年とともに。

でもマジで、本当に待ってよ。

まるで意味がわからない。
ついていけない。
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