灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



初めは好奇の目で近付いてくるけど、
行く行くは気味が悪いと言って
去っていくもの…。



見た目は普通だけど、
【精神異常者】というレッテルは
いつまで経っても剥がれない。



あたしの中で消えない事実なの。



記憶はまばらに飛ぶし、
パニックを起こせば奇声だって出す。
気付いたら覚えのない傷が
躰に付いていたこともある。



自分で自分を守れない。
守り方を知らない。
常に不安定な心と隣り合わせで
あたしを苦しめる。



あたしの過去────
知ったらみんな離れてく。



知られたくない。
でも隠し通せない。



絶望した顔は見たくない。



だけどそうなれば、
あたしは離れるしか道はないだろう。
そう心に決めている。



だからもう少し……



夢を見させて───────











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