灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
黙ったままでいると、
勝手に男はまた話し出す。
『あぁ、あと服はびしょ濡れだった
から洗濯してある。』
この男が…あたしを助けたの?
『まぁ、そう警戒するな。怪しい者
じゃない。別にお前をとって食っ
たりしないさ。』
『…あんた、ダレ?』
かすれた声で問い質す。
ぶつかる眼差しの中で
映るあたしは
警戒心丸出しだった。
『その前にキミの名を聞こう。』
『………………。』
『行くアテないんだろう?』
『………………。』
『ここに居れば少しくらいかくまって
やれるぞ。もちろんタダでな。その
代わり、条件はひとつだけ。』
そこまで言うと
余裕たっぷりな笑みを見せて
あたしの反応を窺っている。