- π PI -【BL】


俺は悪い夢を見ているのだ。


そもそも周の存在自体が夢だったんじゃないか―――……


そんな風にも思えてくるけど、


別室に連れて来られて質問をしてくるのは、紛れも無く周で―――


あの香りも


俺の大好きな香りに




違いなかった。




「どうやら守川、宮下(比奈のことね)両名は、あなたのIDカードを使って、経理ソフトの出納データを改ざんし、経理部から金を引き出していたもようです。


横領は四年前から行われていて、被害総額にして約1億」


1億…………


まるで夢みたいな金額だ…俺には想像もつかない。


ああ、でもドリームジャンボの三分の一と思えば……


―――って!思えるかっ!!


比奈が横領!?しかも俺のIDがその犯罪に利用されてた!?


しかも四年前…と言うと、俺と比奈が付き合いはじめてからだ…


「守川と宮下は二人で結託し、あなたのIDを利用し、度々経理ソフトの数字を改ざんしていたようですね。ちなみに二人の関係は五年前からはじまったようです。


あなたは―――宮下に利用されていたわけだ」





冷酷とも言える事実を―――周はまるで裁判官が罪状か何かを読み上げるように、淡々と言ってのけた。









< 64 / 93 >

この作品をシェア

pagetop