- π PI -【BL】


「円周率………」


それは閃きに近かった。


よほどのバカでない限り誰でも知ってるはずのその数字。






円周率は3.14――――





ほとんど迷うことなく俺はケータイをプッシュした。


“0314”


『ハロ~ハニー♪遅かったな』


ロックが解除され、最初に聞こえてきたアイツの声は聞き間違えるものではなく―――


紛れもなく周本人のものだった。


「―――って言うかそのハニーってのは何だ!」


思わずいつも通り怒鳴り返してしまって慌てて口を噤む。







『じゃぁこっちがいいか?俺の愛しのヒロ♪』






「死んじまえ」




あまりにも普通の声に―――俺は拍子抜けした。







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