2度目の恋は、やさしい蜜の味
「大樹さん。わたし大樹さんの家に行ってみたいな」


いつものようにカフェでランチをして、ホテルに入っていた美月はそう呟いた。

体を重ねた後、必ずと言ってもいいほど、大樹は美月に「いつか結婚しような」と囁きながらキスを落としていた。

その言葉を真に受けていた美月は、大樹のことをもっともっと知りたいと思うようになっていた。


「うち、遠いからなぁ。部屋の汚さに美月に幻滅されると困るし。人並みに片付いたら、誘うからそん時に来いよ」


美月が家に行きたいとお願いすると、大樹は必ず遠いし汚いからまた今度というセリフを吐いていた。


連絡先も知らない、住んでるところも知らない。

これって彼女としてどうなのかな?


ある日、不満が爆発した美月は、悪いことと分かっていながらもこっそりと大樹の後をつけた。



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