2度目の恋は、やさしい蜜の味
大樹のアパートは図書館から駅2つ分の所にあった。


「このくらいの距離なら全然遠くないじゃん……むしろわたしの家より近いし…………」


美月はなんとなく嫌な胸騒ぎがした。


家が近いのに遠いと嘘をついた彼。

一向に携帯のメールアドレスを教えない彼。

でも、あんなに優しい彼に限って、そんなはず…………ないよね?


美月は一縷の望みを持ちながら、大樹の入った部屋へと近づいた。

玄関脇の窓が少し開いていて、そこからキッチンと思しき部屋が見えた。



そして……



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