2度目の恋は、やさしい蜜の味
「どうした―?」


玄関先のやり取りを不審に感じた大樹が玄関に近づいてきた。

そして、美月の顔を見て、一瞬驚いた表情を見せたがすぐに元に戻り「うちに何か用ですか?」と冷めた口調で言葉を発した。


どっちが二番目だったかなんて聞かなくても分かった。


「部屋を間違えてしまったみたいです。すみません」


美月はそう言って頭を下げると、その場から走って逃げた。

とにかく走った。

美月の目からは先ほど我慢していた涙が止め処なく零れ落ちてくる。



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