それは運命のいたずら
ポンッ
誰かが私の肩に、手を置いた。後ろを振り返らなくても分かった…この変な威圧感がなんとも言えない。
「楠本~。
お前タイム悪かったらどうなるか分かってるよな?」
「げっ。入江…」
忘れてたけど、体育の先生って陸上部の顧問である入江だった。
若いくせして、如何にも“教師”っていう言葉がピッタリ当てはまる。
そして、とくに私には厳しい。ほんと面倒な奴。
「そんなあからさまに嫌そうにするな。タイム落ちたら一週間俺の雑用な」
…なんて人使いの悪い教師なんだ。
若くて女子に人気あるからって調子のんなっ。