それは運命のいたずら
「そのかわり、タイムが伸びたら駅前の特大パフェ奢ってね♪」
私は、たくさんの嫌味を込めてにっこりと微笑んだ。
あそこのパフェ美味しいけど高いんだよね。
ここは、私が勝ってパフェ奢ってもらわなければっ!
「良いよ。どうせ無理だろ」
どうせお前は無理だ、と言う自信ありげな表情を浮かべていた。
私は、入江にあっかんべーをして、みんなが集まっている場所へ行く。
「実杏、入江の挑発なんかのらなくて良いから頑張って」
佑奈がガッツポーズを作って、よほど興奮しているのか、荒っぽい息をする。
「ういっす。任せとけ」
スタートラインに立つと、不規則な息遣いになった。
落ち着け、実杏。
そう自分に言い聞かせながら深呼吸をする。