君のとなりで。
亜実が理解してくれて良かった。

亜実に引かれたら、あたしまだ心のどこかで直樹くんを求めていたんじゃないかと思う。


「ふぁぁ…眠い…」


ダンッダンッ

朝の誰もいないはずの体育館から音が聞こえた。


「?」


今日はバスケ部朝練無いはずなのに…


ギギギギギィィ…


変な音をたてながら体育館の扉を開けた。


ダンッダンッ


誰かがバスケットボールをドリブルしている。

あの大きな背中は…


「中川…せんせ…」


先生が投げたボールは綺麗な弧を描き、ゴールに吸い込まれた。
ベタな表現だけど、これしか言いようがないんだ。

ゴールを決めた先生は嬉しそうにボールを取りにいき、あたしが見ているのに気づいた。


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