君のとなりで。
「おはよう九条!」


はっ…。

いかん、あたしとした事が見とれてしまった。


「おはようございます先生…」


「お前眠そうだな」


先生は笑いながら、またシュートをする。

ボールはまた綺麗に入っていく。


「上手いんだね、先生…」


「あたりまえだろ!バスケ部の顧問なんだから!」


「そっか…」


あたしは確信した。


やっぱり先生が好き。
直樹くんを求めてなんかいない。

あたしは今、先生を求めている。
あの大きな手。
あの筋肉質な腕。
あの分厚い胸。
あの安心出来る背中。

あのキュンとさせる笑った顔。


全てを求めている。
全部あたしが独占したい。

< 27 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop