ガリ勉くんに愛の手を
・・・・・・

チラシを配り終えた僕と佐奈。

ようやく、佐奈にも理解してもらえた。

二人の距離が少しずつ縮まっていく。

(こんな時に…)

言いにくい事を……

僕は佐奈を真っ直ぐ見つめた。

「べん、どないしたん?」

「佐奈さん、実はもう一つお願いがあります。」

「なんやのん?」


こんな頼み、果たして聞いてもらえるだろうか?

また嫌われるかも知れない。

不安で仕方ない。

「ベン、早く言うて。
うち、短気やからじれったいのいややねん。」

「すみません。
…実は、小林真理亜さんの事なんですが…」

佐奈の顔がまた曇りだした。

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