ガリ勉くんに愛の手を
今日は家に帰りたくない。

そんな僕に…

「ベン、何があっても家にはちゃんと連絡せなあかん。
今頃、みんな心配して探し回ってるはずや。」

(おっちゃん。)

僕の事より両親の気持ちを先に考えてくれているんだ。

その後、おじさんは僕の家に電話をしてくれた。

「…そう言う事で、…はい、…はい、ちゃんと、お坊ちゃんは預かりますんで、ご心配なく。
すんません。どうも…」

ガチャン―

たどたどしい日本語。

「お母ちゃん、泣きながら謝ってたで。」

(ママ…ごめん。)

今夜はおじさんのアパートに泊めてもらう事にした。

初めての外泊。

なんだか旅に来た気分だ。

まぁ、旅館とは行かないようだが…
< 170 / 401 >

この作品をシェア

pagetop