ガリ勉くんに愛の手を
結局、僕は佐奈の手をにぎりしめる事もできず、またもや作戦は実行されないまま終わってしまった。
(仕方ない、また今度がんばるか。)
こんなに簡単にデートが出来たんだ。
これからだっていくらでもチャンスはある。
とにかく今日は記念すべき初デート。
映画館を出てそのままイタリアンレストランで食事をした。
帰り道、公園の前を通ると佐奈が急に立ち止まった。
「ベン、ちょっと休めへん?」
「はい。」
なんでも佐奈のいいなりだ。
佐奈はベンチに腰をかけ、少し高めのヒールを脱いだ。
「履きなれへん、靴履いてると足が痛いわ~。」
「大丈夫ですか?」
僕は佐奈の足を思わず手でさすってあげた。
佐奈はそんな僕をじっと見ながら、
「ベンって、ホンマ優しいな。」
「いや~ 別に…」
面と向かって褒められたのは初めてだ。
「ベンの彼女なったら幸せになれるやろうな。」
(佐奈さんなら絶対大切にします!)
口に出して言えればいいのに…
「なぁ、ベン。」
「はい。」
「…キスして。」
(えっ?)
突然の申し出に耳を疑う。
(じょ、冗談でしょ?
今、こ、ここで?!)
冗談なんかじゃない。
佐奈は、そう言って目を閉じている。
(ついに…ついにこの時が来た!)
僕が今までしてきた努力が報われる時が来たんだ。
背中に羽が生えてこのまま天に昇ってしまいそうなぐらい舞い上がっている。
(仕方ない、また今度がんばるか。)
こんなに簡単にデートが出来たんだ。
これからだっていくらでもチャンスはある。
とにかく今日は記念すべき初デート。
映画館を出てそのままイタリアンレストランで食事をした。
帰り道、公園の前を通ると佐奈が急に立ち止まった。
「ベン、ちょっと休めへん?」
「はい。」
なんでも佐奈のいいなりだ。
佐奈はベンチに腰をかけ、少し高めのヒールを脱いだ。
「履きなれへん、靴履いてると足が痛いわ~。」
「大丈夫ですか?」
僕は佐奈の足を思わず手でさすってあげた。
佐奈はそんな僕をじっと見ながら、
「ベンって、ホンマ優しいな。」
「いや~ 別に…」
面と向かって褒められたのは初めてだ。
「ベンの彼女なったら幸せになれるやろうな。」
(佐奈さんなら絶対大切にします!)
口に出して言えればいいのに…
「なぁ、ベン。」
「はい。」
「…キスして。」
(えっ?)
突然の申し出に耳を疑う。
(じょ、冗談でしょ?
今、こ、ここで?!)
冗談なんかじゃない。
佐奈は、そう言って目を閉じている。
(ついに…ついにこの時が来た!)
僕が今までしてきた努力が報われる時が来たんだ。
背中に羽が生えてこのまま天に昇ってしまいそうなぐらい舞い上がっている。