ガリ勉くんに愛の手を
それから、何日か経って健二から連絡が入った。

「健二?!」

「佐奈、ずっと仕事が忙しくて連絡でけへんかったんや。
ごめんな。」

「ううん、そんな事最初からわかってる事やし、全然気にしてへんよ。」

ウソ!本当は胸が張り裂けそうなぐらい不安で辛かったくせに…

「ありがとう。
今日の夜、久し振りにご飯食べに行こうか。」

「ホンマ?!うん、わかった。
待ってるから。」

うちの思い違いやった。

健二はなんとも思ってなかったんや。

今までの不安が一気に解消された。

夜の7時、健二がうちをマンションまで迎えにきてくれた。

二人でタクシーに乗って健二が予約しておいた店へと向かった。

洒落たレストラン。

「入ろか?」

「うん。」

人前やから腕を組んだりせず、少し距離を置いて歩くように心がけた。

個室に案内されて中へ入った。

「よう、健二来たか!」

「おまたせ~!」

中にはすでに7,8人の友人たちが集まってお酒を飲みながら盛り上がっている。

「あれ?
隣りにいるのは、もしかして健二の彼女?」

(うちの事?)

うちはうつむいたまま健二が紹介してくれるのを期待した。

「違うよ、ただの幼馴染み。
大阪から遊びに来たんや。」

(幼馴染み…?!)

健二がうちの事を……

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