ガリ勉くんに愛の手を
「あゆ美さん、どこに行くんですか?」

「行けばわかるわ。」

(行けばわかる…か。)

どうしていつも僕にだけ教えてくれないんだろう…

それが唯一の不満でもあった。

さっきのヘアサロンから15分車を走らせて、あるビルの前で車を止めた。

「さぁ、勉君ここで降りて。」

「は、はい。」

僕は不信感を抱きながらあゆ美の言われるままに車から降りた。

ビルの3階に上がって入口の前であゆ美がこう言った。

「勉君、ここからはあなた一人で入ってちょうだい。」

「えっ?!」

聞き返す間もなく目の前の扉が開き、中から二人の男が現れた。

男達はいきなり僕の両脇を抱えると、そのまま中へと引きずり込んで行く。

まるで警官に強制連行されているような気分だ。

「あ、あの~あゆ美さん?!」

「勉君、心配しなくてもいいわよ。
あなたに危害は加えないから。」

(も、もちろんそんな事、される覚えもないし…)


バタンッ!

扉が閉まりあゆ美たちの姿が見えなくなった。

「大丈夫かしら、勉ちゃん。」

心配そうに扉を見ているイッコー。

「どうかな?あの子はメガネ命だから。
つけるのに苦労するかも…」

あゆ美も曖昧な返事をした。

僕が最後に訪れた場所。

そこは…

【アイ・コンタクト】

僕からメガネを取り上げコンタクトをつけさせようとしている。

もちろん、その事を事前に聞いていたのなら、逃げだしたに違いない。
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