ガリ勉くんに愛の手を
二人は遊び疲れて砂浜に倒れ込んだ。

「あ~久しぶりに気持ちええわ。」

「僕もです。
こんなに…走り…回ったのは…
久し振りです。」

運動不足の僕は息が切れてまともに話せない。

そのままそっと目を閉じた。

…誰もいない海。

心地よい潮風、心をさらっていくような波の音、どこか懐かしい海の香り……

日々の生活がなんてちっぽけなものだろうと感じる瞬間。

僕はふと佐奈を見た。

「…佐奈さんの夢はなんですか?」

「ん?急にどうしたん。」

一瞬、戸惑う佐奈。

少し間をおいて真顔でこう答えた。

「うちな、いつか介護士になりたいねん。
今はアルバイトやけど……
お金貯めて専門学校通って資格取るつもりや。」

佐奈の顔が月に照らされキラキラと輝いていた。

(その顔…?)

まぎれもない憧れの
[ひまわりさん]だ。

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