Luck TesT
『母さん?どうかしたのか?』


だが、返事はなかった。
早くなる鼓動を必死で落ち着かせ、深呼吸をしながら、リビングのへ通じる扉を開けた。

「母さん?」

そこで記憶は途絶えていた。
何か、最後に衝撃があったような気がするが、もしかしたら、誰かに殴られたのかもしれない。

横たわる母の姿。
定期的に音を鳴らす電子音に、俺は少し安堵した。


…大丈夫。
母さんは生きてる。


あの電子音は、母が生きている証明でもあった。


きっと、自分みたいにもうすぐ目を覚ます。


そう信じて、結斗は深呼吸をひとつ、した。

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