誓~天才演技者達の恋~
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ユリアはあの日から、すべてが空っぽになった。
ユリアの声に百合亜は反応しなかった。
今は、自分が誰なのかも判断できていない。
「........」
ガラスに映る自分を見て、鼻で笑う。
「こんなに細いの...はじめてかも」
ユリアは貧血気味に、フラリとベットに倒れこむ。
眠りについた途端、彼が病室の扉を開けた。
「ユリア...」
スヤスヤと、時々苦しそうに寝ているユリア。
その傍で、つらそうな顔をしている賢斗。
「ユリア。もう俺は十分だ」
「。」
「いい夢を見させて貰った。ありがとう」
賢斗はユリアの傍に、台本を置いた。
師羅監督から無理を言って貰った台本だ。
「百合亜が百合亜じゃなくなった時、卓也はちゃんとオマエを見つけたよ」
賢斗は優しく微笑むと、ユリアの頭を撫でた。
「あとはユリアがどうするかだ」
賢斗はユリアから少しずつ離れる。
病室のドアに手を掛けると「じゃ」と呟いた。
ユリアは賢斗が出てのを確認すると、台本に手を伸ばした。
「白野百合亜...の一生」
ユリアは一ページ目を捲る。
『最愛の百合亜に贈る。
俺は言うよ。
キミを永遠に愛していると...。』
ユリアは涙を一つ、そのページに落とす。
『演技の天才は、今も君の中に。』