誓~天才演技者達の恋~

ユリアは、直筆に書かれた言葉を読んだ。

最後に、日比野卓也とサインがしてある。


「っ.....!!」


ユリアは一ページ捲る。

そこには、セリフ分けさえされていない、ただ言葉だけが並んでいた。


___________
_______________


平成××

白野家に一人の女の子が誕生した。

近所でも噂されていた美男美女の夫婦の間に出来た子。

母親の百合子(ユリコ)から、その女の子は百合亜と名づけられた。

また、その二日前。

隣の日比野家でも、元気のいい男の子が生まれた。

彼は卓也と名づけられた。

両家の両親共に、仲が良かったため、お互い物心がつく前から遊び。

そして、日々成長していった。

ある日、二人は教育番組の踊りや歌をテレビの前でマネをする。

両親達は、小さい子には良くある行動だと思っていた。

しかしそれに違和感を感じたのは、言葉をハッキリと喋れるようになった歳。

百合亜の才能が一気に開花した。

母親達が見ていた昼ドラなどの台詞を声に出して言う。

それだけじゃない。表情も言い方もすべてが完璧だった。

特に、百合子と麻紀が腰を抜かしたのは、とあるドラマの一部。


「代々伝わるこの家宝。ワケの分からない盗賊にくれてやるものですかッ」


その眼差しといい、表情といい、その怒りが伝わってきた。

それが、白野百合亜が有名になる一年前。

その頃には、日比野卓也の体に異変が見え始めていた。


__________
_______________


「代々伝わるこの家宝....ワケの分からない盗賊に...」


ユリアは涙を流しながら、台本を見続けた。

そして、少しずつ百合亜が目を覚ます。


「卓也...私見つけたの!やりたい事...見つけたの...

テレビの中に入りたい...それが、それが私の夢....」
< 217 / 252 >

この作品をシェア

pagetop