ちょこれーと
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その晩は、送別会だった。
入社5年目の「佳代ちゃん」が結婚のために退社する…
そのための、送別会。
佳代ちゃんは、みんなからお祝いの花を受け取りながら幸せそうにほほ笑みを見せた。
また1人、先を越された…
隣で、同期の「舞子」が私の肩を叩きながら
「なんだかね~」
と呟いた。
「舞子はいいじゃない。結婚まで秒読みの彼がいるんだもん。」
「紗依は、理想ばっかだからでしょ…結構いるんだからね~紗依の事狙ってるやつ」
「…いないよ、聞いたことないし」
「いるって~青柳なんて紗依狙いって、もっぱらの噂だよ~」
反対端の方に座り女の子たちに囲まれて笑う青柳君を見ながら、にやにやと舞子が言葉を続ける
「年上がいいとか、言ってないで、年下も経験しちゃえば~だめなら、切っちゃえばいいんだし」
その言葉に、「あはは」と笑うしかなかった…