ちょこれーと

――――――

月末の週末だったこともあって、あの日私は仕事に追われ残業を余儀なくされていた。

その時、青柳君も月末締めの仕事に追われていて、
同じように残業をしていた。

途中、喉が渇いた私は、コーヒーを買いに席を立った
目の前で仕事をしていた、青柳君をふと思い出し、彼の分も一緒に買って戻った。

何気なく、彼のデスクの脇に置き、自分の席に戻った。



「ありがとうございます」


「あ、ついでね」


そう言って、コーヒーを口に運ぶと、青柳君は私をじっと見ながら言った。


「あと、どのくらいかかります?」


「うんとね…1時間くらいかな?」


「俺も、そのくらいかかるんですよ…帰り、飯食って帰りませんか?奢りますよ」


「いいよ、お腹もすいてきちゃったし。あ、割り勘でいいよ。」



何気ない、普通の会話…

会社の同僚なら、だれしもがしたことのある会話…

その時、フロアに残っていたのが、たまたま二人だっただけ…


「コーヒーのお礼です」


「奢られるほどの値段じゃないから、気にしないでね?」


そう言って、また仕事に没頭し始めた…


―――

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