最後の恋



『ねぇ』



パソコンに手を伸ばそうとしていた早川さんに、声をかけた。



『はい?』


振り返った早川さんと目が合った私は、声のボリュームを最大限に小さくして彼女に聞いた。




『早川さんも…もしかして知ってるの?』

『何をですか?』

『その…私の前の彼氏の…話』

『えっ、あっ…』



わぁーお、超気まずい顔してる。

やっぱり知ってるんだ?




『何か、入社した頃に聞いたことがありました…。松永さん綺麗なのに彼氏いないのは何でだろうって話してたら、それがトラウマで彼氏作らないんじゃないかみたいな噂』



……トラウマねぇ。

っていうか勝手に人のこと好き勝手に噂されても困るんだけどね。


そっか、やっぱり早川さんも知ってたんだ。


きっとじゃあ、ほとんど知れ渡ってるってことか。


トラウマを抱える負け犬女、みたいな。


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