最後の恋



『でも、いいなぁ松永さん!」


えっ?



『あたしも椎名くんと二人きりでバッティングセンター行きたかったです』



……あぁ…やっぱり。




『早川さん、椎名くんに興味あるの?あの、おっ!大原くん…は?』


『大原さんですかー?うーん…何かガツガツしてるっていうかー、ちょっと苦手なタイプです、必死で口説いてくる感じが』



アハハハ…と思わず苦笑いをしてしまう私。

まぁ確かに大原くん、そんな感じだもんね。



『それに比べて椎名くんはガツガツ感なんて全くないし爽やかだし。あの関西弁がまたいいっていうか。昨日一緒に来てた桐谷くんも人気なんですけど、椎名くんの方が競争率高すぎなんですよね』


『えっ?競争率?』


『はい、あたし達同期の中でも椎名くんと桐谷くん狙いの女子社員、結構いるんです。みんな必死でアピールしてるみたいなんですけどね〜』




そう…なんだ。


椎名も桐谷くんも確かにかっこいい。


高身長で見た目もイケメンだから春先から社内でも騒がれていたのがよくわかる。



あの関西弁も、悪くないし…。

そっか…モテるんだあの子…



『特に椎名くんの方は入社してすぐから営業成績もグングン伸ばしてるらしくて、営業部でも期待の新入ホープとか言われてるらしいんです。絶対将来性もありそうですよね〜⁉︎』



期待の新人ホープ⁉︎

あの子が?



『松永さ〜ん!何かいい案ないですか⁉』


『えっ、いい案?』


『人生の大先輩だしライバルを出し抜くにはどうしたらいいか教えてくださいよぅー!』



早川さんは甘えた声で私をジッと見てきた。



人生の先輩ではなく、“大”先輩ですか。


離れた年齢を強調されたみたいで決して嬉しくはない。



『うーん…恋愛のことは私に聞かない方がいいと思うけど』



っていうか何て言えば分からないし。

一応?今あの子と付き合ってしまってるんだ、私。



『あっ、すいません、そっ、そうですよね、ごめんなさい』



早川さんはそう言うと気まずそうな顔で謝り、慌てた様子で椅子に座ってしまった。



そうですよね、

ごめんなさい?



もっ、もしかしたら早川さんも…


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